日本には地番を住所として使っている地域と、住居表示を住所として使っている地域が存在します。

・地番
渋谷区123番地45というように一筆ごとの土地につけられた番号であり、土地の分合筆等によって地図上で必ず順番に表示されるとは限りません。地番は土地につけられた番号で、建物には原則として地番と同じ番号の家屋番号がつけられます。

・住居表示
渋谷区渋谷1丁目2番3号というように住居表示に関する法律に基づいて住所を表しています。適切な広さに分けた町、道路などで区切られた区画につけた番、建物ごとにつけた号を使って表します。住居表示は建物につけられます。

住居表示を住所として使っている地域で医療法人設立認可申請をする場合、住居表示による住所を記載しなければなりません。
申請書には診療所建物の登記簿謄本を添付する必要があります。しかし、登記簿謄本は地番で表示されているので、申請書に記載した住所と一致しません。

診療所がビルの一室の場合、登記簿謄本には建物の名称が「渋谷△△△ビル」と記載されているので、登記簿謄本の地番と申請書の住所が一致しなくても同一の物件であるという確認を取ることができます。しかし、一棟建ての場合は登記簿謄本に建物の名称がないので、同一の物件であるという確認が取れません。

このようなとき、建物が所在する市区町村から住居表示証明書を貰う必要があります。住居表示証明書には地番、住所の両方が記載されているので同一の物件である、という確認を取ることが可能です。

既存の建物であれば住居表示証明書を貰うだけで済みますが、住居表示がついていない新しい建物であれば、どうなるのでしょうか。
この場合は建築途中であっても市区町村に住居表示の届出を行い、住所を付定してもらう必要があります。
もともと建物がなかったので地番(家屋番号)が存在しない為、住居付定証明書には新たに付定した住所しか記載されません。

都道府県の担当者から住所付定証明書では同一の物件であるという確認が取れないと言われるときがあります。このようなときは公的な書類はこれ以上用意できないことを説明し、同一の建物に間違えないことを誓約した書面を提出することで手続きを進めてもらいます。

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