税法上の養子縁組規制の対象とならないものには、次のようなものがあります。
(1)未成年者控除
未成年者控除とは、成年に達するまでの養育費の負担を考慮するため、
一定の要件を満たす未成年者については、満20歳に達するまでの年数1年につき6万円を相続税から控除できる制度です。
この未成年者控除は、すべての養子及び実子につき適用を受けることができます。
(2)障害者控除
障害者控除とは、障害者であるため通常の場合より余分に生活費を必要とする点を考慮し、
一定金額を控除できる制度です。障害者に該当する場合、85歳に達するまでの年数1年につき6万円
(特別障害者の場合には12万円)を相続税額から控除できます。この障害者控除は、すべての養子及び実子につき適用を受けることができます。
(3)相続税額の2割加算
相続税額の2割加算とは、被相続人と親等の遠い人や、親族関係にない人が遺産を取得することは多分に偶然性があり、
また、孫が財産の遺贈を受ける場合には、相続税の課税を1回受けないで済ませることができることなどから、
税負担を調整するために設けられたものです。この規定は、被相続人の一親等の血族及び配偶者のいずれでもない人が、
相続又は遺贈により財産を取得した場合、原則としてその者の相続税額の2割を加算するという内容です。
養子縁組を行うと、すべて養子は民法上の一親等の血族になりますが、
被相続人の養子となった当該被相続人の直系卑属は相続税額の2割加算の対象者とされることとなります。
(4)登録免許税
相続又は遺贈などにより不動産(土地及び建物等)の移転登記等を受ける者は登録免許税を収める義務があります。
孫などを養子縁組して取得原因を「相続」により移転とすれば登録免許税が軽減されます。 この場合、養子全員について登録免許税の軽減を受けることができます。
(5) 不動産取得税
不動産取得税は、不動産の取得に対し、その不動産所在の道府県において、その不動産の取得者に課税されます。
しかし、相続(包括遺贈及び被相続人から相続人対してなされた遺贈を含みます。)による不動産の取得は、形式的な所有権の移転であり、
不動産取得税を課することができなと規定されています。
したがって、相続人でない孫へ不動産を遺贈する場合には、孫に対して不動産取得税が課税されることになります。
そのため、例えば、孫と養子縁組し、その孫に対して不動産を相続させる場合、被相続人から相続人への「相続」を原因とする移転となり、
形式的な所有権の移転に該当し、不動産取得税は課税されません。この場合、養子縁組した孫全員について、不動産取得税が非課税とされます。


